2010年7月22日 16:39
前号では、政令指定都市制度は昭和31年から続く暫定措置であること、その結果、制度にさまざまな歪みが生じていることを報告しました。本号では、都市としての成長に焦点を当てて、世界の潮流と比較したいと思います。横浜市にも子育て、福祉、医療と様々な政治課題があります。どれも詰まるところ、税収が上がらないと解決できない問題です。ない袖は振れないのです。税収を挙げるには、横浜を都市として成長させること。そのための都市制度の見直しです。都市制度は分かりにくい話ですが、大切なテーマですので、お付き合い下さい。
前回のレポートを読んだ方から素朴な疑問が寄せられました。「政令指定都市制度を見直すと、市民生活はどう変わるの?」。
これは大変、答えにくい質問です。目に見えて現れる変化はそれほど多くないでしょう。分かりやすいところでいえば、パスポートの発行が区役所で可能になる、といったところでしょうか。
市民生活に大きな変化はないかもしれませんが、横浜という都市をどう成長させていくか、という観点から非常に重要なテーマなのです。いよいよ人口減少が始まり、高齢化が始まっている中で、医療や福祉、教育の予算をどう確保していくのか。県との二重行政の解決、貧弱な法人市民税をどう解消していくか。その答えが都市制度の見直しにあります。
世界の流れはどうなっているのでしょうか。大変、興味深いデータがあります。モノやサービスをどれくらい購入できるかを表す指標に『購買力平価』という指標があります。各国のGDPをドル建てに換算した上で、国民一人当たりの購買力平価でGDPを比較すると次のようになります。
このグラフ自体はどこかで見たことがあるかもしれませんが、日本は既に経済一流国ではないのは一目瞭然です。さて、ここからが面白いのです。人口に注目してみると...。
軒並み、人口規模は500万人~800万人の都市・国家なのです。アメリカは突出していますが、州ごとに立法権、徴税権がありますから、実態は500万規模の都市国家の集合体と言えます。
世界を見渡すと、恐らく500万人規模の行政単位で物事を進めるのが、最も活力を引き出せるのだろうと思います。世界の流れを見ても、横浜の人口368万人という規模はちょうどいいのです。しかし、そのためには前号で触れたように制約の多い、暫定措置である政令指定都市制度を見直す必要があります。
私は、これからの日本が繁栄するためには地方分権は必須の条件だと考えています。日本全国が一律に変わるのは難しいかもしれませんが、少なくとも、横浜市はモデル・ケースになり得るだけの経済規模、人口規模、市民力を擁しています。地方自治法に始まり、多岐にわたる法改正が必要になるため、ハードルは高い。しかし、引き続き、市会議員としての1つのライフワークとして取り組んでいきます。
