2009年3月15日 14:30
横浜市会では平成21年度の予算審査が始まりました。
その1つひとつをここで説明するには紙幅が足りませんので、テーマを絞ってお話したいと思います。
それはこれからの横浜市を誰が支えていくのか、というお話です。
横浜市の人口は現在、約365万人。税収の多くは個人市民税によっている自治体です。個人市民税に依存しているため、実は景気の波には左右されにくい財政構造となっています(それでも昨今の経済状況の悪化によって約270億円の税収減)。
大阪のように法人市民税依存が高い自治体は横浜市とは比べ物にならないくらい、極めて厳しい財政運営を強いられます。
とはいえ、横浜市の未来は決してバラ色ではありません。あと10年後、2020年をピークに横浜市の人口は減少に転じるのです。個人市民税に依存している横浜市にとって人口減少社会は歓迎できる事態ではありません。人口減少はすなわち税収減を意味しています。景気がよくても税収が減っていく恐れがあります。社会インフラ(道路、上下水道など)の維持管理など最低限必要な経費は存在しますし、何よりこれからは医療や福祉にかかるお金が増えていく時代です。高齢化社会を迎えるとは、そういうことです。
10年後、みなさまはおいくつになっていますか?
10年は遠い未来の話ですか?もう間もなく迎える人口減少社会にどう対処していくか―――。これこそが正に私の市会議員としての問題意識です。
「お年寄りに優しい街にして欲しい」「子どもの安全に配慮した街にして欲しい」となっても、無い袖は振れないという状況では遅いのです。ですから、今から10年後に備えて新しい財源を作っていく必要があると私は考えています。柱は2つ。1つは企業誘致です。法人市民税は大ざっぱに言いますと、会社の利益と従業員数によって決まります。ですから今後成長が見込めて、なおかつ従業員数の多い企業を横浜市に誘致する必要があります。さらに高い経済波及効果も見込めます。これから、みなとみらい地区に進出してくる日産の経済波及効果は530億円/年、同じく富士ゼロックスの経済波及効果は1350億円/年と言われています。これも大ざっぱにいえば、市内における就労人口が1000人増えると、経済効果は約250億円増える計算になります。
横浜市では平成21年度から企業立地促進条例を一部改正しました。従来は横浜市に自社ビルを建設し、そこに本社機能などを持ってくる企業を助成対象としていたのを、賃貸オフィスであっても本社機能や研究開発拠点機能を有していれば、助成する形に変更します。賃料が高い東京都内からなるべく規模の大きい企業を誘致しようという狙いです。
幸い、新横浜地区には外資系および国内の著名な半導体メーカーおよび専門商社が集積しつつありますし、みなとみらい地区には前述したように日産や富士ゼロックスなどの先進企業が進出しようとしています。地域の特性が生まれつつありますから、それを生かして多くの企業を誘致していきたいと考えています。
さて、将来の横浜市を支える、もう1つの柱が観光施策です。観光客が増えれば、交通や飲食、宿泊など様々な経済活動が見込まれます。ところで、みなさん。横浜市には年間何人の観光客が訪れていると思いますか?ちょっと考えてみて下さい。
1、500万人
2、1000万人
3、2000万人
4、4000万人
答えは4の4000万人、です。どうですか?「えっ?そんなに多いの?」と思われた方がほとんどではないでしょうか?正確には4317万人ですが、これだけの人が横浜を訪れています。京都市の4500万人に次ぐ数字です。しかし、手放しでは喜べません。このうち、宿泊客は11%の400万人強でしかないのです。残りの3600万人は日帰り、もしくは都内を宿泊地に選んでいるのです。なぜ横浜に宿泊してくれないのでしょうか。それは立地の問題。1日目を横浜市内で観光し、2日目が都内、あるいは東京ディズニーランドに遊びに行くというケースを考えてみましょう。もし、横浜市内のホテルに宿泊すると、翌日の移動が通勤ラッシュと重なってしまうのです。それを嫌がって、前日のうちから都内に移動してしまうのです。
となれば、やれることは1つです。鎌倉や箱根など横浜市にはない観光資源を持っていて、かつ移動方向が通勤ラッシュと反対になる街と連携を組むのが1つの解決策になりそうです。加えて、観光客の約90%を占める日帰り観光客をターゲットに、横浜市内の回遊性を高めることも重要です。そのためには横浜市を訪れている観光客の属性(居住地域や年齢、横浜を訪れた目的)を知らないことには観光施策を打ち出せません。ようやく横浜市は平成21年度予算で調査を行う計画を立てていますが、これまでは日帰り観光客の属性について何も知らなかったのです。
以上、述べてきました企業誘致及び観光施策への問題意識を持って、予算質疑を行う予定です。
