公共で稼ぐ時代へ〜予算代表質問part2

次に新たな公民連携手法の必要性について伺いします。さきほど触れましたように、これからは既に私たちが手に入れた社会の豊かさをいかに次の世代に繋いでいくかが一つの論点になっていくだろうと考えておりまして、同時に都市間競争の時代に入った今、市民サービスの低下は、選ばれない都市への転落とも紙一重になっていくだろうと考えます。

 

そういった意味からも、これからは公共施設、公共空間を使って自ら稼ぎ、それによって維持管理費を捻出していくという姿勢が大事だと考えております。

 

本市は、これまでもPFIや指定管理者制度など様々な公民連携手法は積極的に取り入れてきましたし、その姿勢は私も評価をするところですが、これらは言ってみれば、歳出削減の公民連携、これからはお金の流れそのものを変えていく、歳入確保の公民連携も必要になってきます。

 

全国的に見ますと、まだ事例は少数でありますが、民間の資金やノウハウを積極的に活用し、財政負担を縮減するだけにとどまらず、さらに進んで財源を生み出しながら、さらに施設の機能向上や地域経済の活性化、税収増なども図る、市民にとっても行政にとっても、企業にとっても3者にメリットが生まれる三方よしの改革、「稼ぐインフラ」「稼ぐ公共」と言われる、新しい発想に立った事業手法の導入がいくつか見受けられるようになってきました。

 

本市では、中期4カ年計画において、2025年を見据えた未来のまちづくり戦略として、新たな公民連携の推進を位置付けるとともに、新たな手法の検討・導入を進めるとも定めたところです。

 

Q1:新たな公民連携を強力に推進する必要性についての市長の見解を伺います。

A1:横浜を取り巻く環境が加速度的に変化する中、複雑化する行政課題やニーズにしっかりと対応するためには、市民や企業の持てる力を引き出して新たな価値を創造することが、非常に必要だと考えております。これまでに進めてきた取組に加えまして、サウンディング調査や共創フォーラムなどの手法をさらに発展させていかなければならないと考えております。公民連携をより深めるための対話を積極的に展開しながら、オール横浜で知恵と力を結集して、取り組んでまいります。

 

平成28年度予算案では、様々な公共施設整備事業や公民連携手法に関する調査・研究等の取組が盛り込まれており、そのうち特徴的と思われるものについて考え方を伺っていきたいと思います。

 

みなとみらい21新港地区では、9号岸壁耐震強化改修に合わせて、クルーズ船の寄港に対応した新たな客船ターミナルを公民連携事業により整備することになっています。平成28年度に公募、平成30年度に供用開始を目指すと聞いておりますが、

 

 

Q2:新港9号客船バース等整備事業における公民連携の特徴について伺いします。

A2:みなとみらい21地区の優れた立地性や景観を活かし、民間のノウハウと資金を活用しながら、CIQ等の客船受入施設と商業・サービス施設を一体的に整備するものです。これにより、客船ターミナル利用者の利便性向上や一層の街の賑わい創出が図られるとともに、本市財政面においても、施設整備費の抑制と、土地貸付料・税収等の歳入が確保できる事業となっております。

 

次に京浜臨海部ですが、ここは国、県、さらに川崎市とも連携して国際競争力の高いエリアに発展させていく必要のあるエリアです。工業地帯として発展してきた中、産業構造の変化により土地利用にも変化が生じる中、本市も企業誘致に力を入れているエリアでもあります。

 

従来、企業誘致を進める手法としては減税や賃料補助といった助成制度が中心でしたが、これからは企業誘致であっても公民連携手法の検討を積極的に検討すべきと考えます。こうした中、28年度予算では経済局が京浜臨海部研究開発拠点機能強化事業を計上し、神奈川区の守屋・恵比須地区で新たな研究開発拠点の整備が計画されています。

 

Q3:神奈川区守屋・恵比須地区での新たな研究開発拠点整備の事業手法の特徴について伺います。

A3:民有地に囲まれた不整形な市有地にを、その同一区画内の民有地と交換し、この用地を公募により選定した民間事業者に貸し付け、研究開発施設の整備を行うことで、京浜臨海部における土地利用の研究開発機能への転換を図ります。この手法により、本市財政負担の軽減が図れるほか、整備を行う民間事業者のネットワークを活かして、同地区の研究開発拠点形成をリードするような企業の進出が期待できます。

 

次に栄区にある「上郷・森の家」ですが、横浜市公共施設のあり方検討委員会において、効率的・効果的な施設運営のあり方等について検討するように提言がなされ、市民局からも「利用促進・経営改善を図るため、民間ノウハウを活用した運営方法について検討する」旨が報告されているところでもあります。

 

近年、ヨーロッパなどでは豊かな自然環境の中で、行き届いた宿泊サービス、飲食サービスを提供する、いわゆるグランピングが観光産業として台頭しつつあり、昨年は日本でも河口湖の湖畔に国内初のグランピングリゾートして、星のやが「星のや富士」を開業し、大いに話題になっているところでもあります。

 

上郷・森の家も豊かな自然環境の中にあり、周辺に鎌倉や金沢といった歴史資産と、海や山から取れる豊かな食もあり、従来の市内小学校の体験学習の利用を促進しつつ、新しい市場の開拓も十分、可能な施設ではないかと考えております。築23年が経過し老朽化していることや、正直に申し上げれば、食事などのサービスが非常に低いことを考えますと、検討委員会から指摘されているように、速やかに民間ノウハウを活用しながら、財政負担を抑えつつ再生していくべきと考えます。

 

Q4:「上郷・森の家」の施設運営について検討経過と平成28年度の検討内容について伺います。

A4:「上郷・森の家」については、民間事業者の創意工夫やノウハウを活用し、施設の魅力を高め、お越しになるお客様の満足度向上を目指しています。そのため、今年度、最適な事業手法を選択することを目的として、PFI事業を視野に、導入可能性調査を実施していきます。来年度は、この調査結果を踏まえ、具体的な方向性を決めた上で、引き続き詳細な調査を実施する予定です。

 

PFIや指定管理者制度は歳出の削減に軸足を置いた公民連携だったとすれば、これからに求められるのは歳入確保に軸足を置いた公民連携です。例えば、大阪市では都市公園である大阪城公園について、従来は大阪市が事業者に委託料を払って管理していましたが、平成27年度からは電通、読売テレビなどの事業共同体を指定管理者とし、この事業体が大阪市に対して年間2億6000万円の納付金と事業体の年間収益の7%を支払う取り組みが始まっています。ほかにも、昨年末には渋谷区において宮下公園の整備を三井不動産に委託し(正確な表現は現在、調査中)、公園の機能を維持しつつ、地代として三井不動産は渋谷区に年に6億円を支払う、つまり渋谷区としては6億円の歳入を確保することになりました。

 

こうした事例にあるように、公園や道路などの公共空間、公共施設を民間に開放し、施設や地域の魅力向上など、公共施設などが持つポテンシャルを民間の力によって引き出し、市民サービスの向上を図りつつ、維持管理費を捻出し、さらには歳入確保に繋げていく取り組みは本市でも十分に可能ではないかと思います。平成28年度予算を拝見しますと、政策局予算に「公共空間の有効活用調査検討」という項目があります。

 

Q5:公共空間等の有効活用に関する調査検討を実施する問題意識について伺いします。

A5:横浜のまちには、潜在的な可能性を持つ資源が数多くございまして、そのポテンシャルを引き出すには、民間の自由な発想とノウハウを活かせる公民連携が有効であると考えています。ただいま伊藤先生から、大阪城の周辺や渋谷の宮下公園について、民間事業者と共創・協働しているという新しい形のお話をいただきましたが、まさに横浜市に必要なのはそういうことだと思っております。それにつきましては、例えば、大阪城は新しく建てたものだと思いますが、大変な魅力があります。その周辺もそうです。宮下公園についても、学生さんもたくさん賑わっています。横浜市にはそれが足りないと考えており、今まで私たちがやってきた公民連携だけでは足りないと思っています。しかし、公民連携については非常な理解を得なければならない面もあります。かなり前の話になりますが、公民というと逆に癒着してのではないか、とたくさんの批判をいただく時代もありました。そういったものを思い切って打ち壊していかなければならないと思っています。私としては財政面も慎重に、そして信用できる、どなたから見てもチェックできるオープンな体制の中でやっていかなければなりません。大阪の例は非常に魅力的であると思いました。

 

私は本市において全く新しい発想の公民連携手法の検討、導入は増やしていくべきと考えますが、一方で、これらの取組が事業所管局の姿勢や人員体制、職員の意識や知識、センスなどによって事業の可能性があっても、実施されたり、されなかったりといったバラツキが大きい状況は改善すべきではないかと思います。

 

Q6:新たな公民連携手法の検討・導入を全庁的に進めるための取組について伺います。

A6:平成27年度から、政策局・総務局・財政局および都市整備局が連携し、公民連携による公共施設マネジメントに関する庁内の意識啓発、人材育成および情報発信等の取組を開始しています。ここで、経営責任職の、いわゆる役所でずっと育ってきた人たちの意識を変えなければいけない、大胆に公民連携を自分たちが発想できなければいけないということで、取り組んでいます。これからはさらに、こういった意識啓発や知識・スキルの習得を基本として、すでに共創アクションセミナーをやっていますが、これから具体的な事業検討をテーマに取り上げて少人数制の勉強会を開催していきたいと思っています。これは予定しております。実際に具体的に事業化にどうつながっていくのかを議論していくものです。まさに、全庁的に進めるべく、勉強会をやるということです。
 
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