文化と歴史を大切にした理念ある街作りこそがリノベーションだ!

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岡山県の問屋町。新幹線岡山駅を下車し、東口からタクシーに乗って約15分離れたところにある街。決して便利な場所ではありません。ここは昭和43年に繊維関係の卸業者が「岡山県卸センター」として街開きをし、最盛期には76社がここに拠点を構えていました。ところがご他聞に漏れず、商習慣の変化とそれに伴う流通形態の変化により、いつしか、問屋町は空きビルだらけの街となってしまいました。駅からは車で15分も離れており、一体、どうやって再生するのか。

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今から約10年前、この街の再生を託されたのが株式会社レイデックス代表取締役の明石卓巳氏。昨年のリノベーションスクール@北九州でお世話になった縁で、今回、問屋町を視察させて頂きました。明石さんは当初、リノベーションという言葉を意識していなかったそうです。彼が大事にしていたのは、「その街がもともと持っている魅力や歴史・文化などを掘り起こして増幅させる」ことで街を再生する、という考え。彼は一貫して、この10年間、この考え方でやってきたそうです。

ただ、ここに至るまでは苦労の連続。人が来なくなった街なら、建物を壊して更地にして、マンションを建てた方が手っ取り早い。こう考える人がいても不思議ではないですし、実際に問屋町の中には分譲マンションになってしまった場所もあります。そういう環境の中で、「街の魅力や歴史、文化を掘り起こすんだ」といっても、こうした明石さんの考え方が地権者や街の組合に浸透するのに時間を要したであろうことは想像に難くありません。

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そんな環境に大きな変化が訪れたのは3年前のこと。岡山県でリノベーションに関するシンポジウムが開催され、明石さんに問屋町のことを話してくれと依頼がありました。当初、彼はこの依頼を断ったそうです。それは彼の中で「リノベーションって言ってるけど、それってリフォームをかっこ良く言い換えているだけでしょ?」と。

結果として明石さんはリノベーションのシンポジウムで講演をすることになるのですが、彼が問屋町に関わってからずっと大事にしてきた、「その街がもともと持っている魅力や歴史・文化などを掘り起こして増幅させる」という考え方そのものが、今リノベーション業界を牽引するリーダーたちと考え方と全く一致していることに気付くことになります。一方、東京から岡山のシンポジウムに参加していたリノベーション業界のリーダーたちも、「岡山にこんなに先進事例があるとは!」と発見したと言われています。

以下、問屋町のリノベーションで生まれ変わった建物です。見て下さい。今や問屋町は岡山はもちろん、広島などからも人が集まるオシャレエリアです。タクシーの運転手も言っていました。「問屋町は別格。若い人がとにかく集まってくる」。下の写真にもありますけど、お母さんたちの自転車が集まっている風景、いいでしょ?

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さて、問屋町も課題がないわけではありません。それは車の路上駐車のマナー。路駐のマナーは決していい訳ではないそうで、こうした問題については今後、アートで解決していこうとしているそうです。ますます問屋町から目が離せません。こうしたステキなまちづくり、横浜でも実現したいですね。