2010年5月14日 00:13
5月13日付けの産経新聞の朝刊に次のような記事が掲載された。全くの誤報であるため、ここに報告させて頂きます。詳しくは下掲の記事を読んで頂くとして、「選挙も経ずに、みんなの党の会派ができることはない」し、前市長の親衛隊である「旧ヨコハマ会を丸のみする形でみんなの党の会派できることは一切ない」。ましてや、「私が旗振り役をして、旧ヨコハマ会をみんなの党に誘っている事実もない」。
少なくとも、議会のことを少しでも取材している記者であれば、このような記事はあり得なかったはずである。事実、複数社の記者は記事を見て、言下に「あり得ない」と見抜いていた。
まずは問題となった記事を読んで頂こう。
横浜市議会に「みんな」支援会派
横浜市議会に18日にも、みんなの党を支援する会派が新たに誕生することが12日、同市議会関係者への取材で分かった。(中略)みんなの党を支援する会派は自民、民主、公明に次ぐ第4勢力となる見通し。
旗振り役となっているのは無所属の伊藤大貴氏((32)。伊藤氏は以前、みんなの党の江田憲司衆議院議員の秘書を務めており、会派「無所属クラブ」に所属。無所属議員の会派「ヨコハマ会議」の飯沢清人氏(55)、小幡正雄氏(67)、山田圭一郎氏(46)が連携するほか、民主党を離党する方向で調整中の串田久子氏(44)と田中紳一氏(46)が加わる。(中略)
と続く記事である。
横浜市政ウォッチャーであれば、「横浜市議会」ではなく、「横浜市会」であることは常識中の常識であり、これは校正ミスの愛嬌なのでしょう。何の疑いもなく「横浜市議会」と書いてしまう辺りに、日ごろの取材不足の跡が見て取れるわけわけですが、先の記事を読んで、みなさんはどう感じるでしょうか。
「あぁ、伊藤さんがヨコハマ会議に積極的に声を掛けて、会派を結成しようとしているのね」。誰もがそう受け取るでしょう。前述の通り、ヨコハマ会議は、旧ヨコハマ会であり、かつての病院協会の補助金不正受給事件などいくつかの案件で私とは意見が対立していたグループです。いくら、みんなの党が地方議員を一人でも増やしたいと思っていたとしても、こと、横浜市会については、誰でもよいという訳ではありません。
そもそも、みんなの党は「アジェンダ主義」。政策を掲げて、それに同意できる議員でグループを形成しており、正にそれこそが今、政党支持率を上げている背景でもあります。いくら、一人でも仲間が欲しいからと言って、地方議会で「アジェンダ」を掲げることなく、みんなの党の会派を作ることはありません。少なくとも、これまで江田憲司幹事長が無所属だった時代から、微力ではあるけれども、共に活動していた私がいる限り、選挙前にみんなの党の会派を作ることはあり得ません。それは市民への裏切りにも近い行為と言わざるを得ません。
第一、私はこの件で取材を受けていません。記事を読むと、私が旗振り役になっていると書いていますから、素直にこの記事を読んだ人はそれがあたかも真実のように思ってしまうでしょう。記者の基本中の基本は「第一次ソースに当たること」。これは記者駆け出しの時に、徹底的にたたき込まれることです。
今回の件で、産経新聞のデスクも記者も「複数の関係者を周辺取材した結果に基づく記事であり、自信を持っている」と回答。画竜点睛を欠くとは正にこのことで、私が旗振り役と書くのであれば、本人に確認を入れるのは基本中の基本のことである。これは記者を経験した者、あるいは現役の記者であれば、ごく当たり前のことである。
周辺取材だけで記事が許されるのは、当の本人、つまり今回の記事であれば、「旗振り役の伊藤大貴」が取材に応じず、逃げ回っていて、埒が明かない場合「だけ」である。その場合は当然、周辺取材によって記事を執筆することは大いにあり得る話である。しかし、私の下には一度として、件の記者は会いにも来なかったし、電話一本鳴らなかったのである。
産経新聞が自信を持って書いたとする記事が誤りであることは13日の午後、ある形で実証されることとなりました。記事中に名前が出ていた串田久子氏が13日付けで無所属クラブに合流することになったのです。従来の無所属クラブからネットワーク横浜の4議員が離団し、入れ替わる形で、串田氏と大桑正貴氏が新たに入団し、合計6名でのスタートを切りました。串田議員、大桑議員の無所属クラブの入団も1週間以上前から水面下で調整していたことなので、少しでも取材していれば、産経新聞もあのような誤報にはならなかったでしょう。もっと違う記事が書けたはずなのに、大変気の毒です。
産経の記事内容を擁護する気は全く無いですが、
市の議会は法律上「市議会」で、「市会」は通称かつ一部都市でしか馴染みがない呼び名なので、
横浜市民以外にも向けた記事としては、仕方ないんじゃないでしょうか。