2010年3月15日 23:18
ちょっと前のニュースになりますが。横浜市は経済産業省の「次世代エネルギー・社会システム実証地域募集」に手を挙げました。日産自動車と東芝、パナソニック、アクセンチュア、明電舎の5社と共同で、MM地区などを中心に、スマートグリッドの実証実験を行う計画です。
横浜市と5社が共同提案した実証実験が選定されるか否かは分かりませんが、4月上旬には結果が通知される予定です。実験は平成22年度から5カ年計画で実施されます。
スマートグリッドとは、電力の需給バランスを自動的に調整する機能を有する電力網のことで、電力供給体制に不安がある米国で始まりました。有名なところでは、検索エンジン大手のGoogle社が電力会社としての免許を取得し、スマートグリッドに乗り出しました。スマートグリッドを実現するためには、太陽光や風力などの自然エネルギーを利用すると同時に、電力の需給状態を常に見守るための通信技術、ソフトウエア制御、蓄電池など、数多くの技術を必要とすることから、今、世界で急速にスマートグリッドへの取り組みに注目が集まっています。通信、電池、ソフトウエアと技術の塊であることから、日本の産業界が世界で勝負できる可能性を秘めた分野でもあります。
その実証実験が横浜にて、5カ年計画で実施される可能性があります。私はこの実験に大いに期待を寄せています。本市はスマートグリッドが太陽光発電を利用することから環境の側面から期待しているようですが、私は違う観点から期待しています。
それは企業誘致や産学連携、次世代の都市生活の提案など多岐にわたる政策に関連し、それが横浜市の地力になる可能性を秘めている点、そこに期待しています。
前述したように、スマートグリッドは複数の技術がそろって初めて実現できる電力網です。太陽光発電だけでも成り立ちませんし、通信技術だけでも成り立ちません。もちろん、蓄電池の技術だけでもダメです。そのすべてが揃って初めて実現されるシステムです。
東芝は太陽光発電、パナソニックは蓄電池と各社がそれぞれ技術の強みをもっていますが、その橋渡しこそ、実はスマートグリッドを実現する上での大きな肝になります。そこに、産業が新しく興る可能性がありますし、大学など研究機関が関与できる余地があります。非常にすそ野が広い分野です。5カ年の実験期間中に、関連企業を呼び込み、関連する研究機関を呼び込めるか、横浜市にとって大変チャレンジングなテーマだと思います。
そして、電力供給が不安な米国と異なり、日本の電力網は大変安定しています。電力事情に詳しい専門家は日本でスマートグリッドが定着するためには、次世代の都市生活の定義が必要だと主張しています。都市生活のデザインがないと、スマートグリッドは根付かないだろう、と。ここに横浜市が行政として果たす役割があります。
10年後、20年後、横浜市は再生可能エネルギーをどう都市生活に生かしていくのか、そして、横浜に住む私たちの生活はどう変わっていくのか。その中期・長期ビジョンを示していく必要があります。スマートグリッドをきっかけに横浜市が将来像を描き、スマートグリッドをきっかけに産学連携や企業誘致に弾みをつけることができれば、それは横浜市の都市の魅力を形成していく重要なパーツになり得るでしょう。
この実証実験は横浜市の地球温暖化事業本部が音頭を取っていますが、以上、述べた理由から、都市経営局や経済観光局との連携も不可欠というのが私の考えであり、その点を常任委員会の予算審査の中で意見として述べておきました。
今後もこの実験の行方には大きな関心を寄せていきたいと思っています。そのためにも、まず、経済産業省に選ばれないといけないのですが・・・・。
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