2009年10月30日 08:46
議会にいると必ずと言っていいほど聞こえてくる言葉。それが「国際都市・横浜」。横浜市も様々な説明の中にこのフレーズを入れていますし、議員も質問の中に国際都市・横浜を使います(もっとも質問原稿を作ってもらっている議員が多いので、実質的には横浜市の言葉かもしれない)。
市会議員になってから2年半、ずっと、このフレーズが引っ掛かっています。私の一番の心配は「横浜市は自分のポジションを冷静に分析できていないのではないか?」。
日本の都市の中で海外でもプレゼンスの高い都市は東京、京都、大阪、名古屋続いて横浜です。とりあえず上から5都市を挙げましたが、実際には東京と京都、よくて大阪くらいしか海外での知名度はありません。世界地図を見ても明らかで、横浜はどこからどう見ても東京の一部にしか見えないのが現実です。
私は国際都市・横浜を標榜することにケチをつけているわけではありません。そうではなくて、本当に国際都市を目指すのであれば、日本が世界でどう位置づけられているのか、その中で横浜というロケーションがどう映っているのか、そういったことをしっかりと現状分析し、理解した上で「何をもって国際都市とするのか。横浜が目指す都市像は何か」を明確にする必要があると思うのです。
どうも、そういった意識、現状認識が欠如しているような気がします。
今、世界では都市間競争が激しくなりつつあります。日本は言語環境から、都市間競争をまだ意識するには至っていません。これから中期計画を練る横浜市にとっても岐路を迎えているのではないでしょうか。世界の都市間競争に本当に挑んでいくのか。そのためにも乗り越えなければいけないハードルはたくさんありますし、相当な覚悟も必要です。それとも、あくまで従来の一地方都市としての身の丈で頑張っていくのか。
やはりポイントは市民に自治体として、どこまで行政サービスを提供していくか。ここだと思います。正直に言って、このまま現状の行政サービスの質を維持するのは相当難しいと思った方がいい。国が800兆円を超える借金を抱え、国からの支えは期待できませんし、いよいよ横浜市も10年後には人口減少社会に突入します。市税収入の45%を個人市民税に依存する自治体としては厳しい現実です。無い袖は振れませんから、近い将来、市民から反対されるでしょうけれども、様々な事業を停止しなければいけない事態も生じるでしょう。それが人口減少社会です。
少なくとも横浜市だけは、そのダメージを小さくしたいと私は議員として思います。ですから、これまでも一貫して企業誘致の重要性を述べてきました。現状は横浜市の将来ビジョンが明確でない、あるいは魅力的な将来ビジョンでないために、「横浜に本社を移転するのは、どうも都落ちという意識がある」と東京に本社を構える企業から指摘されてしまうのです。
言うや易く行うは難しであることは十分認識しています。市職員の中にも相当な危機感を持っている人もたくさんいることでしょう。今こそ、横浜市職員の英知をしっかりと結集していくべきだと思います。残念ながら、今の組織ではそれが出来ていません。新市長になって局名変更の話も出ていますが、重要なことは局名変更ではなく、局横断での人事交流を頻繁に実施できる組織作りです。正に市長のリーダーシップが問われていると思います。
コメント(4)
様々、ご指摘ありがとうございます。私が考えている問題意識と大きく変わらないと思います。
書き込みをして下さったのは市職員の方でしょうか?ぜひ、連絡先を教えて頂けると幸いです。
こんにちは。
「国際都市・横浜」というお題でこんなことが頭に浮かびました。
・ワールドカップ開催時、外国語ボランティアを募ったところ、応募が殺到し、ほとんどの国の通訳ボランティアを市内在住の市民だけでまかなえた。
横浜シティガイド協会代表・嶋田昌子さんいわく「こんなまちは横浜以外ない」
・中華街の華僑団体(大陸系)のトップは数年前から日本華僑総商会のプレジデントだけれど、東京以外出身で初めて(ちなみに横浜翠嵐卒‥)
・日本の消費者が求める衣料品を、中国等労賃の安い海外の工場で委託生産するというビジネスモデルは数十年前横浜で生まれていた(近澤レースのこと)
議員さんやお役人さんらに任せておくと、港だ空港だと、要するに「予算を使う話」に集中しがちですが、「違い」がリターンの源泉になる今の国際経済では、横浜固有の経済感覚・国際感覚・成功体験に根ざした新しい政策が必要では、と思います。
伊藤さんのように若くてインテリジェンスのある議員さんが、今までにない視点から新しい政策を作ってくださることを期待しています。
最初に意見を発信させていただいたものです。わたしは市職員でありません。普通の「濱っ子」です。わたしのように市政に精通していなくても、このような理解がありますから、程度の差こそあれ、横浜の歴史をみてきた市民であれば、程度の差こそあれ、自覚や問題意識は皆あるのではないでしょうか。
企業誘致はその必要性(論えば幾らでもあります)をきちんと市民に発信して横浜全体の問題として戦略性を持ち、横浜を売り込む努力が必要だとおもいます。営業力の分野ですので各界のトップセールスが必要ではないでしょうか。
MMや新横浜への企業集積が進み始めていますが、経済危機で組織集約と費用削減をきちんと満たす提案ができれば本社誘導に繋がった事例がたくさんでてきています。民間不動産業者のほうがその手法や人脈に通じているのでしょうから、民間ノウハウや官民JVは大いに進めてほしいものです。
緑区周辺の遅れてしまった道路整備ですが、緑区のような郊外区の道路整備や区画整備の遅れ、ようするに「何故着手が進まなかったのか?進捗がなかったのか?」は市民レベルではわかりません。緑区民の多くは過去30年の移住者ですから、過去の歴史を紐解き、有権者に発信していくと情報共有となり、いい波及が生まれるのではないでしょうか?この道路整備や都市計画遅れに関心を持つ区民は多いと思います。
これから緑区が普通の水準に見合った社会資本を享受できるのか?いつ、なにを、どう、働きかけていくべきか?そのためにはどんなアクションをとるのか?そういった政策案や実際の活動結果、成果を有権者に情報発信していくことも、区民が期待している部分だとおもいます。
国際港都として横浜が名実共にそうかといえば、たしかに横浜港は全国屈指のコンテナ取扱数を誇り、客船入港数も全国一位であり、横浜市に本社を構える優良企業も多く存在します。
しかしながら1960年代70年代に東京都のスプロール現象で大挙して移住してきた団塊世代を中心に市外出身者が多く、市外就労人口が肥大化して、昼間の人口が少なく経済活動に躍動感が欠如しており、夜間人口が突出しているという昼夜間人口の歪みが顕著な部分があり、ようするに東京都心のベッドタウンとしての側面が大きくなっています。人口も老齢人口に比較的横浜生まれが多いわりに、団塊世代は市外出身層が多い、その子供の団塊ジュニアは横浜生まれが多く新たな横浜市のアイデンティティーの担い手になっているといった分析もあります。
従って市民としての一体感に乏しいのが現実としてあり、市民要求としての福祉や教育分野への支出が多いいっぽう、本社立地や企業集積が弱い為、地域経済力が乏しかったり、市民全てを吸収できる雇用が無かったり、法人市民税が少ないといったことも事実としてあります。極論すれば367万の人口を支えるだけの経済力が無いのです。
横浜市における企業誘致はそれこそ戦後一貫してやってきてるはずで、地方都市としては相応の結果をあげてるのですが、国際港都の名に恥じない水準には至っていません。まさに企業集積による経済活動の再活性化と就労人口の確保は横浜市の経済、福祉、教育、医療等、すべての分野における生命線となっているとおもいます。これを抜きに今後の横浜市の自立発展はありえないでしょう。
横浜市が市民を巻き込んで全市的に企業誘致を盛り上げているかといえば、まだまだその努力は一部の人達の手に委ねられ、市民全体の機運が高まっているとはいえません。ここは議員レベルから積極的に経済界と市民との橋渡しをしていくことや、横浜選出議員が一致団結して企業誘致を進めることが必要なはずです。
横浜市への企業進出メリットとしては、東京都心と比較して横浜駅周辺で6~7割、関内や新横浜地区で概ね半分ということではないでしょうか。その反面交通網が成熟しているのはご承知のとおりです。羽田空港までは新宿や渋谷より全然至便なのも大きな強みです。「都落ち」という感覚は、横浜市をよく理解していない企業人の感覚であって、首都圏全体でみれば、企業活動上まったく支障が無いと考える経営者も沢山います。むしろ港横浜に本社を構える企業イメージを大事にする経営層も多いのです。横浜という街の持つ強みをきちんと発信していくことも市内選出の議員一人一人の大きな使命ではないでしょうか。
もうひとつ横浜に不足しているのは道路整備です。お膝元の鴨居周辺の渋滞からして一目瞭然のとおり、道路網整備の遅れは政令市随一となって不名誉な部分です。人口18万人も抱える緑区から横浜都心にいける予定の山下長津田線は計画から60年経たいまも未完成のままです。羽沢池辺線も鴨居上飯田線も全線開通する予定は粗未定です。駅前のバス道に歩道も満足にないのは相当真剣に考えたほうがいいはずです。なぜ都市計画が進まないのか、その検証作業をきちんするべきではないでしょうか。2千年前のローマ帝国の都市のほうがよほど優れていたといった皮肉さえあります。全市的にも3環状10放射線の幹線道路網整備の計画も進んでいませんし、横浜環状道路の遅れで、ほんらい東京港より東名や中央道へのアクセスが良好になるはずの横浜港もわりを食っています。
横浜には367万人に見合った絶対的な企業数や道路が遅れているといった厳然たる事実があります。そこにやはりきちんとした改善結果を残していくことが市内政治家に課せられている使命の一つではないでしょうか。