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税収構造の転換が横浜市のこの先10年の課題

中田市長の辞職によって市長選挙に向けた人選が慌ただしくなっています。子育てのしやすい街とか高齢者にやさしい街とか、これは恐らく、方法論や優先順位のつけ方は別として、どの政党が考えても同じような主張になるでしょう。


これらの施策に対する私の基本的な考え方はこれまでにもブログや街頭演説、市政報告会等を通じてお伝えしてきました。ただ、これはいずれも出口、つまり税金の使い方の議論です。一家の家計と同様、収入がなければ実現できないことです。


そう、これからの横浜市にとって重要なことはいかにして税収をせめて現状維持、できれば増やしていくかということにより一層本腰を入れて取り組んでいかなければいけません。これから10年が正にその勝負の時だと私は思っています。


それには2つの理由があります。1つは税収構造、もう1つは人口推移。これまでにお伝えしてきたように横浜市は市税収入の40%超を個人市民税に依存しています。これは他の政令指定都市と比べて突出して高く、大阪市や名古屋市ですと20%~30%弱という数字になっています。個人市民税が少ない分、大阪市や名古屋市は法人市民税の割合が高いのです。横浜市は法人市民税の割合が10%程度と低い。法人市民税の占める割合が高過ぎると景気の好不況に左右されやすくなるため、自治体にとっては好ましくないのですが、それでも横浜市のそれは低すぎます。


第2の理由に人口推移を挙げました。横浜市の現在の人口は366万人、2020年には375万人に達します。2020年が横浜市のピークです。ここをピークに後は人口減少社会に突入します。人口が減るということは、すなわち個人市民税の税収減に直結します。先ほど述べたように、個人市民税が市税収入の40%超を占める現状にあっては、他都市以上に横浜市の財政状況が悪化するスピードが速まる恐れがあります。


だから企業誘致が重要なのです。ただ、従前のように企業を引っ張ってくればいいという話ではありません。それでは東京に勝てないからです。従来の横浜市は、「本社機能もしくは研究開発拠点を本市に移転した場合、法人市民税を減免する」とか、「テナント料を減免する」といった施策で企業を誘致してきました。これがまったくダメだとは言いませんが、この施策には横浜らしさがありません。東京のテナント料が安くなれば、魅力は生じませんし、横浜市よりもいい条件を川崎市や千葉市が提示した場合、ただの価格競争になってしまうからです。


では、どうしたらいいんだ、という声が聞こえてくるかもしれません。私はこう考えます。企業が横浜市に進出すると、「1+1が3にも4にもなる」、そういう仕掛けが必要です。従来は企業は横浜市に進出してもシナジー効果を生む仕掛けがありません。私はその仕掛けとなり得るのが大学だと思っています。大学というソフトパワーを利用する。横浜市内には東京工業大学があり、慶應大学理工学部があり、横浜国立大学があり、横浜市立大学医学部があります。これだけの頭脳が集積していながら、活かし切れていません。


海外から大学を誘致したら面白いという意見をもってらっしゃる方もいます。目からうろこです。具体的な大学名も挙がっています。もし、それが実現すれば、横浜の位置付けは一変するだろうと思います。その方のアイデアによると、横浜キャンパスではすべて授業は海外と同じ教材を使い、言語も英語で行う。当然、スタッフも外国人です。もし、もしも、その大学を横浜に誘致できれば、国内で東大や京大、早稲田、慶應に進学するような学生を奪うことも十分にあり得ます。いや、アジアから優秀な学生をどんどんと呼びこむことすら可能になります。この頭脳の集積は必ず横浜市に武器になります。


みなとみらいには日産本社、富士ゼロックス研究開発本部の進出が決まり、わずかでありますが未来への種は蒔かれています。前述した既にある市内の大学、そして海外からの大学誘致を横串に、大学というソフトパワーを横浜市の特徴として、企業を誘致するのです。テナント料を安くするとか、市民税を減免するとかいった方策よりも何倍も何十倍もの魅力だろうと思います。企業が求めているのは、次の産業のネタであり、成長のきっかけであり、頭脳です。それが横浜市に集まっているとなれば、後はほうっておいても、企業は横浜に集まってくるはずです。


壮大な夢だと片づけるのは簡単です。しかし、こうしたことを実現に向けて道筋をつけていくのが私たち議員の仕事だと私は思います。幸い、このアイデアを共有できる仲間もいます。このアイデアに共鳴してくれる都市開発のプロもいます。横浜市の人口減少が始まる2020年までに間に、何とか道筋を付けたと考えています。

コメント(2)

伊藤様

大学の誘致、しかも英語のみで卒業できる大学(国内・海外にかかわらず)であれば大変おもしろいと思います。そうすれば海外から優秀な人材(学生・教授・研究者)を呼び込める可能性が大きくなると思います。日本政府は留学生30万人構想なるものをスローガンに掲げましたが、海外から見た日本への留学は語学のハードルが高く、それほど魅力的に映っていないのが実態だとおもいます。中国・韓国でも日本語より当然英語が主流ですし、何か手を打たないと最終的に日本の研究開発における地位も下降線をたどっていくのではと危惧しています。
今後、産業界も絡めた産学連携事業、大学誘致事業を是非進めて頂ければと思います。(各地方で誘致を競いあうようになれば日本全体が活気づくと思うのですが。。)

大学や研究施設を誘導するやり方に賛成です。ただ学校施設の誘導はなかなか旨く行かなかった現実もあり、自治体の思惑、学校運営と現実のギャップなどもみる必要があります。成功事例を徹底検証すべきです。

ただ民間企業は根底には当然、コストメリット(即ち固定費削減や人件費削減効果)が伴わなければ思い腰は動かしません。実業の世界は所詮、利益追求です。中国へ進出する日本企業が目指すものは低人件費と巨大消費市場です。横浜は東京都比較した低賃料、低相場、同等インフラと神奈川900万人市場をセールスポイントにして、横浜ブランドを最大限アピールすべきだとおもいます。

シンガポールの企業誘致は非常に積極的で経済開発庁がリダーシップをとって1~10まで進出企業の便宜を図り、関係諸官庁の調整をするそうです。それだけの強い権限を持つそうです。シンガポールの成功事例や、中国のアグレッシブなインセンティブなど検証余地は多いと思います。

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