2009年5月21日 19:47
今、日本において住宅政策は岐路を迎えていると思います。よく限界集落という言葉を聞きますよね。地方の、過疎化が進んだ町の話だとみなさん、思っていませんか?しかし、この限界集落は、この大都市・横浜でもこれから現実に起こり得る話なのです。
駅からバスで20分くらい離れた閑静な住宅街。かつては若かった住民も今や70を目前にし、お金に余裕のある世帯は駅前の便利なマンションに移り住む。街から人が急激に減り、公共交通であるバスの利用者も減少の一途。その結果、赤字路線は維持できないとの判断により、路線は廃止。取り残された住民は益々、不便な生活を強いられる。赤字でも路線を維持するだけの財政的な体力が横浜市にはない。なぜなら、人口減少社会に突入し、若年層の収入もかつてのように右肩上がりでは増えないからだ。生産人口の減少と給料の伸び悩みがダブルパンチで横浜市を襲い、市税収入が今後、増える見込みはない・・・・。
ここで述べたストーリーは決して遠い将来の話ではなく、10年後に現実に起こり得る話なのです。自分が今住んでいる街が当てはまる、と思った方もいらっしゃるかもしれません。特に横浜市の郊外区において、その危険性が高いと言えます。私がかねてより、企業誘致政策に関心を持ち、調査・研究をしているのは、横浜市の財政構造を転換していかないと大変なことになるという危機感からです。
税収構造の大転換の話は別のブログに譲りますが、では、上記のような問題が目前に迫っている中で横浜市として何をすべきなのでしょうか。私は第一義的には住宅政策の見直しが必要だろうと考えます。これは国の影響が非常に強いので、国会での議論が必要なのですが、持ち家政策を見直すべきです。そして賃貸政策へ切り替える。日本の持ち家政策はせいぜい、戦後60年の歴史でしかありません。明治以降、基本的には賃貸が中心でした。資産形成という意味で持ち家政策は多くの日本国民を救ったと思いますが、今、時代の流れは変わりました。若年層の給料が伸び悩み、家を持つことが難しくなりつつある今だからこそ、賃貸政策へ転換しやすいのではないでしょうか。
人生のライフステージに応じて、住む家を自由に変えられる。35年という気の遠くなるようなローンを抱え、社会情勢によってはいつローン破たんしてもおかしくないという不安を抱えながら生きるよりも、よっぽど健康的な生活が送れるはずです。35年ローンを払い終えて、ふと周りを見渡したら、寂れた街になっていた、寂れたマンションになっていた、では悲しいではないですか。
本当はもうちょっと精緻に議論したいところですが、ブログなので、この程度に留めますが、最後に1点。日本において不動産市場は流動性がほとんどありません。REITの登場によって、不動産の証券化が進みましたが、それでも対象となっているのは大型の商業マンションが中心です。戸建て住宅や一般住居用のマンションの流動性はほとんどないと言っていいでしょう。だから、リバースモーゲージもうまくいっていません。この辺も賃貸政策に切り替えれば、きっと流動性が出てくるでしょうから、持ち家政策下で家を購入した人たちにとっても悪い話ではないはず。資産をちゃんと回収できるはずなのです。座して死を待つよりは、大胆な政策転換の検討があってもいいような気がします。
住宅政策は横浜市にとって非常に重要なテーマですから、これから折に触れてブログで取り上げたいと思います。
伊藤大貴さま
マンション次期役員候補者として、行政の住宅政策に非常に関心があります。
住宅政策は、福祉政策の基盤ではなかろうかと存じます。