2009年5月21日 16:48
新型インフルエンザの件で。とうとう、東京都と川崎市で感染者が発生しました。いずれも川崎市内にある同じ学校の生徒ということで、学校には朝から苦情の電話が殺到しているとのこと。曰く、「同じ電車を利用している。もし、感染したらどうしてくれるんだ」という内容。
でも、待って下さい。もうちょっと冷静になった方がいいのではないでしょうか。震災などでも同じことが言えますが、非常時で最も重要なことは私たちがいかに冷静に対応できるか、ということです。今回のH1N1型新型インフルエンザは、少なくとも現時点では弱毒性であることが判明しています。感染者も重症者はほとんどいないことが数字でも裏付けられています。「感染したら、どう責任を取ってくれるんだ」と詰め寄るほどのことではないのは明らかです。
さらにいえば、感染者の彼女たちは空港で検疫も受けています。検疫の結果、問題ないという判断を受けての、その後の移動があったわけですから、彼女たちには何の落ち度もありません。学校に責任を問うのもおかしな話です。
今回の新型インフルエンザが少なくとも現時点では弱毒性であったことは不幸中の幸いだったと受け止めるべきでしょう。お陰で様々な問題点が浮かび上がってきました。水際作戦には限界があること。その結果、国内での感染拡大はある程度、覚悟しなければいけないこと。現場サイドでいえば、お医者さんの理解、病院の発熱外来体制、感染者の取るべき行動、感染の疑いがある人が取るべき行動、など。様々な知見が集まったわけですから、ここから学ばなければ意味がありません。
水際作戦の限界を認め、国内でのある程度の感染拡大を覚悟し、治療体制の整備に注力すべきだと私は思います。
マスコミももう少し、考えた報道をしてほしいものです。東京都と川崎で感染者が出たことを報道するのはいいのですが、どんな意味があるのか。そこを明らかにしないと視聴者がただ混乱するだけです。「ある程度の感染拡大は仕方ないんですよ」というメッセージを打ち出すための報道なのか、それともただ単にやじ馬根性で「あぁ、とうとう、関東でも感染者が出てしまいましたね」という報道なのか。その姿勢が問われていると思います。
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