2009年2月 2日 09:24
兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」を視察してきました。同施設は山陽新幹線の相生駅からバスで30分に立地します。横浜から向かうと、新幹線の乗り換えやバスの待ち時間など含めて片道約4時間の道のり。往復で8時間ですから、1日で視察となると視察時間が限られてしまいます。それでも何とか3時間丸々見学させてもらいました。
先日のブログでも触れましように、SPring-8の特徴は「見えなかったものが見える」こと。記憶に新しいところでは和歌山県で起きたカレー事件におけるヒ素を検出したのがSPring-8です。住友ゴム工業のスタッドレスタイヤや花王のシャンプー、トリートメントなどのヘアケア商品、自動車に搭載するリチウムイオン電池の高寿命化などもSPring-8を使った観測データを元に開発されています。
SPring-8は理化学研究所などが施設管理を行い、財団法人高輝度科学研究センター(通称、JASRI)が運営しています。同施設とほぼ同程度の能力を持つ施設は世界にも2つ、米国エネルギー省のAPS(Advanced Photon Source)、欧州のESRF(European Synchrotron Radiation Facility)しか存在しません。
SPring-8の隣接地にはさらに高性能のX線自由電子レーザー(通称、XFEL)の建設が進んでいます。XFELが完成すると、放射光とX線自由電子レーザーの両方を備えた研究・実験施設は世界でここだけ、ということになります。必定、大学をはじめとする研究機関のみならず、産業界の期待も高まっています。例えば、SPring-8をもってしても測定が非常に難しかったタンパク質がXFELなら短時間でいとも簡単に行えるようになります。これは非常に画期的なことで、例えば、副作用を極力抑えた創薬の開発などに拍車がかかる可能性があります。
ただ、目下の悩みは予算。科学分野への予算は比較的手厚くなっているものの、それでも実際の需要に応えられるほどにはなっていないとのこと。私は国会議員ではないので、この辺の議論が国会でどのようになされているのか分かりません。さらには他分野の予算との兼ね合いもありますから、一概には言いにくいのですが、人口減少社会に突入している日本にとって、海外に勝てる付加価値を生み出せる施設には手厚い予算を講じるべきではないかと思います。
視察のもう1つの目的であった地域振興への波及効果については、残念ながら当初想像してほどにはないようでした。
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