2009年2月25日 23:11
自治体には財政調整基金というお財布があります。各年度の一般会計決算において発生した決算上剰余金の2分の1を積み立てるものです。昭和54年に施行された「横浜市財政調整基金条例」によって定めています。
さて、平成19年度には250億円あった財政調整基金が平成21年度予算では119億円にまで減っています。取り崩した財政調整基金の大半は目前に迫った開港150周年記念事業に充てられるためです。横浜市にとって開港の歴史は都市のアイデンティティですから、150年という節目を祝うことは大切です。しかし、果たしてこれだけ大掛かりな資金投入が適切なのでしょうか。取り崩した財政調整基金と合わせて、総額162億円が開港150周年事業に使われています。550億円の経済波及効果があると言っていますが、せめて、あともう1ケタ高い経済効果が見込めないようでは投資としては疑問が残ります。
話が少しそれてしました。前述の財政調整基金条例に戻りましょう。第6条には次のように記載されています。
第6条 基金は、次の各号の一に掲げる場合に限り、これを処分することができる。
(1) 経済事情の変動等により、財源が著しく不足する場合において、当該不足額を埋めるための財源に充てるとき。
(2) 災害により生じた経費の財源又は災害により生じた減収を埋めるための財源に充てるとき。
(3) 緊急に実施することが必要となった大規模な土木その他の建設事業の経費その他必要やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるとき。
(4) 長期にわたる財源の育成のためにする財産の取得等のための経費の財源に充てるとき。
(5) 市債の償還額が、他の年度に比して著しく多額となる年度において、その償還財源に充てるとき。
(6) 償還期限を繰り上げて行う市債の償還の財源に充てるとき。
お読み頂ければ分かると思いますが、要は緊急の場合に財政調整基金を取り崩して使いましょうね、ということを定めています。開港150周年記念事業は財政調整金条例第6条のいずれの項目にも当てはまらないのは明白です。
本日行われた予算代表質問において、無所属クラブを代表して上記の問題点を杉山議員(神奈川区選出)が質問しました。これに対して市長は「何も問題ない」との回答。市長の回答をかいつまんで説明すると概ね次のような内容でした。
市長就任以来、財政規律の改善に努めてきた。その結果、各年度で剰余金が発生したわけだが、現行制度下では剰余金を積み立てる場所は財政調整基金しかない。だから、ここに積み立ててきた。(そういう経緯で財政調整基金は増えたわけだから)取り崩した基金を150周年事業に使うことは問題ない。
私はこの答弁には納得できませんでした。横浜市財政調整基金条例にはどういう経緯で発生した剰余金であるかは何も定義されていません。条例に書かれていることは、一般会計で剰余金が発生したら、その半分を積み立てなさい。積み立てたお金を使えるのは災害等の緊急時だけですよ。この2点しか書かれていないのです。
ましてや、この経済状況下です。取り崩した財政調整基金を使うべきは、経済対策であり、子育てであり、医療であり、福祉であるはずです。150周年記念事業の規模を縮小するという英断を下す方が市民のみなさまにもご理解頂けると私は思うのですが、いかがでしょうか?
伊藤大貴議員に賛成します。私も、開港150周年記念事業を行うために財政調整基金を取り崩すのは、財政調整基金条例6条に反すると思います。しかも、仮に財財政調整基金を取り崩すのであれば、現下の経済・金融情勢にふさわしい使途である必要があると考えます。