2008年12月12日 15:46
本日をもって議会閉会となりました。これまで様々な形で市民のみなさまにご案内してきた、みどり新税の導入が決まりました。本日の本会議で、反対討論をしました。以下に反対討論の全文を掲載しますので、少し長くなりますが、お付き合い下さい。そして、市民のみなさまの率直な声をお聞かせ頂ければと思います。
反対討論 全文
市第87号議案に反対の立場から討論させて頂きます。
将来の横浜市のために緑を保全すべきという意見はおそらく、ここにいらっしゃる92名の議員みなさん、一致することと思います。しかし、今回の新税は施策の中身の面からも、実施時期の面から課題点が残るため、反対しております。
まず、施策の中身についてですけれども、増税による税収の40%以上を費やして樹林地を買うわけですが、買える面積は年間に減少している緑のわずか5%でしかありません。本当にこれで市民のみなさんが納得すると、お考えなのですか?費用対効果の面から考えたときに、どう説明したら市民は理解してくれるでしょうか。
本気で緑の減少を食い止めるには、植樹のような別の方法を取る必要があるだろうと思います。
それともう1つ重要なことは、なぜ、横浜市の緑が減ってきたのか、その根本原因は何なのか。改めて指摘するまでもありませんが、他都市からの人口流入とそれに伴う大型の宅地、マンション開発が緑地減少の根本原因のはずです。
この根本原因を取り除かない限り、横浜市の緑地減少を食い止められないだろうと思います。そういう意味から新税を導入するに当たっては、宅地開発などに制限を加える施策が必要なはずですし、実際、市長御自身の市長選マニフェストにおいても新税と併記されています。
そして今回の新税では金額が1300円から1100円、900円と減ったわけですが、常任委員会で自民党や民主党からも厳しい、反対意見が出ていましたように、増税ありきの感が否めません。
ですから緑を守るのは大賛成ですけれども、あまりにも施策がちぐはぐで、到底市民の理解が得られないだろうと思うのです。
次は時期の、タイミングの問題です。先の議案関連質問で太田議員が指摘しましたけれども、この経済状況下で増税を議論しているのは横浜市だけです。今朝の読売新聞にも出ていましたけれども、国では税制改正大綱に住宅減税、自動車減税が盛り込まれ、昨日はたばこ税増税も見送られました。2008年4月~9月期の日本の経済成長率はマイナス1.8%。10~12月期はもっと厳しくなり、2009年にはマイナス3%成長だろうと言われています。バブル崩壊後のもっとも経済状況が厳しかった時でも日本の経済成長率はマイナス2%台だったと申し上げれば、来年の日本を、横浜を巡る国民の、市民の経済状況がいかに厳しいものになるか、お分かり頂けると思います。
ここにきてソニーが正社員8000人を含む1万6000人のリストラを発表し、シャープやキヤノン、いすず自動車、トヨタ自動車などでも期間労働社員のリストラが始まる、あるいは始まろうとしています。いずれの企業も4月~9月期の経済状況から判断しているわけでして、これから経済状況が益々厳しくなるわけですから、来年はもっと雇用不安が大きくなっているであろうことは容易に想像ができます。
日銀の景気判断も6年7か月ぶりに「悪化している」になりましたし、工作機械受注額は過去最大の下げ幅、街角景気判断指標は過去最低を更新、企業倒産件数は5年ぶりの高水準、企業物価は過去最大の下げ幅とどの指標を見ても非常に厳しい数字が出ています。
間違いなく、来年は今よりも厳しくなっているんです。経済学者はビルトインスタビライザーが働くまでに3年、3年要するだろうと指摘しています。みなさん、本当にこのタイミングで増税に踏み切って、市民が理解してくれるとお考えなのでしょうか。私たち市会議員は行政のチェック役のはずです。寄って立つところは何のか、それを考えたときに、みなさまもそれぞれご事情がおありなんだと思いますが、せめて今回は見送るべきだと思います。
冒頭申し上げましたように、施策の中身もまだ審議すべき点が残っている中で、しかも、これだけ経済が厳しくなっている中で、それでも緑地保全が一分一秒を争う事案でお金が必要だとするならば、私は市職員の人件費カット、市会議員の報酬削減で臨むべきだと思います。横浜市の人件費は年間約2200億円ですから、1.5%カットでも30億円です。1.5%は月でいえば、課長クラスでも1万円にはいかない数字です。なんとなれば、市会議員と市長以下、局・区長は5%でもカットしたらどうでしょうか。それを経済が回復するまでの3年限定でやれば、3年限定です、3年限定でやれば、それこそ、市民の行政に対する、政治に対する信頼が増すだろうと思います。市会議員が、横浜市が身を切って、緑を守れる。そして、審議がまだ足りない部分もこの間に十分尽くせるじゃないですか。
付帯意見として議員定数の削減が付されました。私は議員定数の削減には賛成ですが、これは新税導入に際して議員が努力したことにはならないのではないでしょうか?横浜市民が雇用不安を大きく感じ、実態経済が大きく落ち込むのは来年、再来年の話なんです。私たちの改選期は2011年。議員定数を減らすことによる、行政コストの削減は2011年まで表れないんです。
どうか、どうか、心ある議員のみなさま、今一度、ご再考頂けないでしょうか。
以上で反対討論を終わります。
コメント(4)
確かにこの経済状況下での新税は理解が得られにくいと思います。
経済の回復を期待するよりも縮小していくことを前提とした議論を行って欲しいです。
ただし、現在の政府の場当たり的な政策を引き合いに出すのはいかがなものか。
やはり票集めが目的ですか?
なぜ、大形の宅地開発やマンション建設が発生するのか?
どこの自治体においても緑地の確保、維持の問題になっていることには個人の方が所有者であることではないでしょうか。
相続税を支払う為に売却せざるを得ないケースが多いと伺います。
みどり新税は後手にまわってしまった悪あがきに過ぎないかもしれませんが、
そのような形での減少が多いことからすれば評価出来るのではないでしょうか。
(逆に新税導入に伴い既存の税率を下げるような議論はなかったのでしょうか?)
個人の居住地の選択の自由や個人の私有地の利用の自由をどこまで制限できるのか。
根本の原因は現状の土地利用を踏襲する形で都市計画を立てざるを得なかった過去の国土計画のような気がします。
日本の小さな土地に多くの所有者が存在しています。
土地を俸禄として与えていた時代からの価値観でしょうか。
さらにそのような計画でも「一度決めたことだから」と見直しを拒否し続ける体制ではないですか?
また、植樹をする土地の確保にも計画的に行えなければ効果が上がりにくいですし、
木を植えた樹林地には必ず維持が必要です。
やたらめったら木を植えても維持が出来なければ治安上良くない場合もあります。
市議会で決定したことは市議会議員の方々にもご自分の支援者に説明出来るだけの知識が必要かと思います。
経済が縮小することを前提に議論すべきとのことですが、まさにその通りで、経済の縮小と10年後に始まる人口減少社会を考えると、従来と同じペースで緑は減らないだろうと思います。なぜなら、宅地を開発しても需要がないからです。
それと緑地の買い取りは評価できるのではないかというご質問ですが、予算の40%を使って減少する緑のたった5%しか買い取れない施策を評価できますか?費用対効果から考えれば、愚策だと私は思います。
植樹の効果は見込めない上、維持管理にお金がかかるのではないかというご指摘ですが、正直、このご意見の意図が私にはわかりかねます。横浜市が買い取った緑に対しても、同じように維持管理は発生します。買い取った緑だろうが、植樹による緑だろうが、維持管理は発生します。
やたらめったら植樹して治安が、というご指摘ですが、それは既存の緑地を買い取っても同じことです。緑の総量を守る以上、手段(緑地買い取り、植樹)の如何にかかわらず、維持管理の問題と防犯上の安全確保の問題は等しく発生します。
ですから、あとは緑の総量を維持するのに、どれだけ安く実現できるかがポイントになるのです。その点で考えれば、予算の40%を使って年間に減少する緑の5%しか買い取れない施策というのは愚策というのが私の考えであり、その予算を植樹に回した方がよっぽど緑を創出できます。
市議会で決定したことを支援者に伝える知識を有するべきというご指摘、ありがとうございます。少なくとも私は自身の考えをこれまでに何度も市政報告会等を通じて市民のみなさまにご説明してきましたが、そのことはご存じでしょうか?そして、そのことに対して市民のみなさまより一定のご理解を頂いていると私は考えています。
反対意見は大変貴重ですし、私は議論も好きなので、ぜひ、次回の書き込みを楽しみにしております。横浜市民の方なら、なお、よかったですけれども。
難しいことは言えないですが、私はこの土地に生まれてから27年間住んでいます。家自体は曾祖父の代から住んでいると聞きました。小さい頃は周りは緑が沢山あるところでした。いつからか周りに住宅が増え最近では近くに小学校が1つ増えました。
今の子供達には『緑豊かな横浜市』にしたいのでしょうが、昔から住んでいる人間からしたら『何を勝手なこと言ってるんだ』と言いたいです。自然を奪ったのはこの辺一帯を開発した会社なのに。
正直、年間900円くらい払えるとは思います。でも、この矛盾に納得出来ないので払いたくありません。
残念な事にこの税制案を知る前に可決されてしまったので来年度から払うしかないのでしょうけど…。もしくは横浜を出るしかないんでしょうね。
目的の中に『農地を守る』とありますが、元々農家で今も農地を保有している人間は何か見返りがあるのでしょうか?全く納得できないです。
増税という公権力発動は最後の手段です。
役所に民間手法をと訴えて当選した現市長並びにそのチルドレン議員が、まさに権力の濫用を推し進めたことは権力の毒性・魔性を垣間見た気がします。
緑化は、市内各地域にある町内会単位の神社奉賛費活用が良いと思っております。
神社奉賛費使途のうち、緑化費用を町内みどり費として徴収する方法です。
神社奉賛は信仰により拒否される方もいらっしゃいますが、みどり費ならば信仰に関わらず共通インフラですので、しっかりした説明の上でご負担いただけるのではないでしょうか?
あと税の場合は、関内に集中し現場とかけ離れます。これも「費用対効果」の不透明化につながるおそれがあると思います。