2008年12月 4日 08:41
昨日の一般質問で子供の無保険対策について質問しました。無保険とは国民健康保険料の滞納が発生してから1年以上が経過し、資格証明書に切り替わった状態のことを指します。医療費という観点からいえば、30%負担で済むことには変わりはありません。ただ、病院の窓口では一旦、医療費を全額支払う必要が出てきます。
さて、横浜市は無保険の子供が3692人と全国最大であるとマスコミで報じられました。私のところにも市民の方から「けしからん!」という声がたくさん、届いていましたので、昨日の一般質問で取り上げた次第です。本エントリでは横浜市の無保険対策について説明したいと思います。
単純に数で比較して、あおるような報道をするマスコミもひどいものだと私は思うのですが、横浜市の国民健康保険加入世帯数は全国最大ですから、絶対数で比較したら全国最大になってしまうのは、仕方のないことです。比較するのであれば、率で比較しなければいけません。もっとも率で比較しても、政令市中、千葉に次いでワースト2位の0.67%。
通常、資格証明書を発行するまでには文書催告や電話催告、訪問、時間外電話催告、時間外訪問など手順を踏みます。横浜市はこの手順をかなり厳密に行っており、他都市よりも一生懸命取り組んでいます。では、なぜ、横浜市に無保険の子供が多いのでしょうか。
実は他都市は資格証明書を発行していなかったり、あるいは子供にだけは保険証を発行していたりするのです。子供と書きましたが、定義は自治体のよって様々で18歳未満であったり、あるいは15歳未満であったりします。横浜市の場合、未就学児に対して小児医療制度がありますので、制度との整合性を考えて未就学児に対しては、国民健康保険の滞納世帯であっても、実は保険証を発行しています。
さて、ここで市民の方からきっとこんな声が挙がるかもしれません。「18歳未満の子供に保険証を発行している自治体があるのに、横浜市は未就学児に制限をしていてけしからん!」。
しかし、実はここに根深い問題があるのです。これは国の問題ですが、国民健康保険証の発行は世帯単位というのが国の、厚生労働省の方針なのです。ですから、地方自治体としては国の方針をしっかり守ろうとすれば、実は滞納世帯に対して、資格証明書を発行する以外にないのです。ですから、横浜市としては可能な限り、手続きを踏んできました。無保険の子供がいない自治体というのは、言ってみれば、国の方針をまったく無視していることになります。
そうはいっても杓子定規にはできないだろうということで、横浜市としては既存の小医療制度を勘案して未就学児には保険証を発行してきたのです。行政の肩を持つわけではありませんが、横浜市としてはギリギリの判断だっただろうと思います。
ですから、問題は国の方針です。ここは先のエントリで触れたように変わりそうですから、一安心です。
もう1つだけ話しておかなければいけないことがあります。子供だけを対象にしても滞納世帯に保険証を発行すると、保険料を払っている世帯との不公平感や滞納の助長につながる、モラルハザードにつながりかねないと心配する向きがあります。確かに昨今の税や上下水道、病院、公営住宅の滞納問題を見ていますと、その指摘は当然です。
ただ、今回、一般質問をさせて頂くに当たって、資料を請求し、データを読んでいますと、所得が200万円未満の世帯が滞納のボリュームゾーンになっているのです。ご存じの通り、日本には年収200万円未満の非正規社員が1000万人以上存在します。みなさん、考えてみて下さい。年収200万といえば、月額15~16万です。ここから年金、国保が引かれ、住宅費、食費、光熱費と生活に必要な経費を差し引くと、ほとんど残らないだろうと思います。払いたくても払えないというのが実情なんだろうと思います。
これではとても将来に対する希望を持つことができません。この辺の問題はかなり突き詰めて考えて、議論していく必要があるだろうと私は思います。今、国では景気対策が叫ばれていますが、申し訳ないけれども、自民党も民主党もみなさん、浮世離れしてしまっているのではないかと思います。今、本当に必要なのはセーフティーネットの構築だと私は考えます。将来に対して希望が持てないという実情はその立場になって考えると、いたたまれなくなります。
また稿を改めて取り上げていきたいと思いますが、国のグランドデザインを書き直す時が来ていると思います。非正規社員を景気の調整弁として企業が利用している以上、そこで働く人たちのセーフティーネットをどうしていくか。モラルハザードという難しい問題もありますが、そういった事も含めて、諸々考えていく必要がありそうです。個人的には以前にも触れましたように、住宅政策を見直すところから始めるべきではないかと思っています。衣食住に対しての不安をなくすこと、これが政治が果たすべき根本的な役割だろうと思います。
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